○聴覚障害とは

聴覚に障害をもつ(耳が不自由な)ことです。
ろう者、軽度難聴から高度難聴、成長してから聴覚を失う中途失聴、
加齢により聴力が衰える老人性難聴などが含まれます。

○原因

聴覚障害の原因には風疹などによる先天性と後天性があります。
後天性には病気、薬の副作用、点滴の副作用、長期にわたる重度騒音や
頭部への衝撃、精神性ストレスによる突発性難聴、加齢などがあります。
一般的に、聴覚障害は聴覚以外に身体的欠陥はありませんが、
重複障害を持つものもあります。

○分類

聴覚障害のタイプには、伝音性と感音性と混合性があります。
伝音性は内耳までの間の音を伝える経路に原因がある場合で、
感音性は内耳から奥の聴覚神経や脳へ至る神経回路に問題がある場合です。
混合性は伝音性と感音性の2つが合わさったものです。
聴覚はセンサー機能について述べ、聴力は聞く能力について述べているといえます。
つまり、ある特定の聴覚神経が欠けていると、その波長の音は聞こえない。
一方、聴力は聞き取る能力が低下したりする場合をいい、
大きな騒音環境にいて一時的に聞こえの能力が低下した場合は聴力低下といいます。

○治療、対処

発話訓練
生まれつき、または3~5歳までの言語機能形成期に聴覚を失ったり、
聴力に低下を来した場合、発話障害を伴う場合があります。
最近では発話面の障害がないことが多いため聾者(ろうしゃ)と呼ばれることが多いそうです。
「聾」・「瘖」は聞こえないこと、「唖」は話せないことを指します。

人工内耳
聴神経に音が伝わらない場合、内耳の中に電極を挿入して、
補聴システムでとらえた音声信号を電気信号に変えて、
その電極から聴覚神経へ直接伝える人工内耳が普及してきました。
電極の数に制限があり、一方残存聴覚神経にも個体差があるため、
電子回路で患者一人一人に合わせた信号補正を行っています。
人工内耳の手術後も言語聞き取りのために訓練期間が必要になってきます。

補聴器
加齢などで聞こえの程度に不自由を生じた場合、補聴器を装用することがあります。
そのような場合、特定周波数をとらえる聴覚神経が欠損している場合もあり、
補聴器を装用したからといって、健康な状態へ回復するとは限りません。

筆談
聴覚障害をお持ちの方は筆記用具を持ち歩いていることが多く、
手話等を解さない人とは、正確を期すため筆談をすることがあります。
また、「私の代わりに電話をかけていただけますか」と書かれた
カードを持ち歩く人もいます。

手話
手や指、腕を使う手指動作だけでなく非手指動作と呼ばれる、
顔の部位(視線、眉、頬、口、舌、首の傾き・振り、あごの引き・出しなど)が
感情表現の他に文法要素となる場合もあります。
この非手指動作によって使役、命令、疑問文、条件節、理由節などの
文法的意味を持たせることができます。

聴導犬
生活で必要な音をタッチして教え、音源に導く身体障害者補助犬です。
火災報知機などの警報、玄関のブザーや電話などの呼び出し音、
目覚まし時計の音などを聞き分けることができます。
音の種類に応じ、飼い主への合図を変えることによって
必要な情報を飼い主に正確に伝えます。
また必要に応じてそれら音の発する方向へ誘導を行います。
特に警報音では、眠っている飼い主を起こし、避難を促すなど命を守る働きをします。
国内の聴導犬の実働数は現在、盲導犬と比べると
まだまだ不足している状況にあります。

○聴覚障害を題材に
~聴覚障害を扱った作品等をご紹介いたします~

【映画、少年漫画:聲の形、聲の形/大今良時】

参照:聲の形公式サイト
http://koenokatachi-movie.com/

【テレビドラマ:愛していると言ってくれ】

参照:愛していると言ってくれWikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%84%9B%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%81%A8%E8%A8%80%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%8F%E3%82%8C

【テレビドラマ、書籍:オレンジデイズ、オレンジデイズ/北川悦吏子】

参照:オレンジデイズWikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%87%E3%82%A4%E3%82%BA