トゥレット障害とは

またはトゥレット症候群。
チックという一群の神経精神疾患のうち、音声や行動の症状を主体とし慢性の経過をたどるものを指す。
小児期に発症し、軽快・増悪を繰り返しながら慢性に経過する。
トゥレット症候群の約半数は18歳までにチックが消失、または予後は良いとされている。

症状

<運動チック>

・顔面の素早い動き(まばたき、顔をしかめるなど)
・首を振る、腕や肩を振り回す
・体をねじったり揺すったりする
・口の中を噛む
など。

<音声チック>

・咳払い
・汚言症(罵りや卑猥な内容)
・唸り声、ため息をつく
など。

原因

確定していないが、ドーパミン系やセロトニン系などの神経伝達物質の異常、大脳基底核という運動の調整に関わる部位を含めた脳内回路の異常などが考えられる。

統合失調症や自閉症と同じようにかつては親の養育、家族機能などに原因を求められたこともあったが、現在ではそれらの説が否定されがちである。
しかし、精神的ストレスで悪化するなど症状の増悪に環境要因が関与しているのは事実である。

治療

環境調整

本人、家族、教師などの周囲の人々に障害の特徴を正しく理解してもらいチックや併存症を持ちながらも成長し社会適応できるように支援する。
ストレス因子の除去、疾患から生じる二次的な劣等感の除去・予防。

行動療法

ハビットリバーサル法(チックをする代わりに、チックと同時にはできない別の動作をする練習を行う技法)を主とした包括的行動的介入の有効性が示されている。

薬物療法

チックだけでなく併存症も含めたどの症状に的を絞るのか、また、副作用の程度も考慮して選択される。

外科治療

難治性トゥレット障害の場合、脳深部刺激療法が検討される場合もある。

参照:「トゥレット障害」(Wikipedia)

トゥレット障害を扱った作品など

●ヴィセントは海へ行きたい
参照:「ヴィセントは海へ行きたい」(Wikipedia)